欧州地域税務ニュース 2022年10月号

10月号では各国における2023年の税制改正案について解説するとともに、英国におけるプラスチック包装税などについて解説します。

EMEA Tax News Oct 2022
2022年10月号のハイライト

• 欧州全体の動きとして、いくつかの EU 指令案が公表されましたが、特に以下の項目については、日系企業にも影響が出ると予測されます。詳細はPwCオランダが発行する「EU Gateway newsletter」をご参照ください。
  • Pillar2指令案の導入検討：引き続きECOFINでのPillar2指令案の導入検討がなされていますが、2022年9月末現在、全会一致の合意はなされていません。一方、一部の国の財務省はECOFINでの全会一致の合意がない場合であってもPillar1およびPillar2の導入を進める意向を公表しています。
  • 負債と資本のバイアス削減に係る控除（DEBRA）と超過借入費用の損金算入制限に関する EU 指令案

• 英国、ドイツ、オランダの各国で、2023年に向けた税制改正案が公表されています。
  • 英国では、予定されていた法人税率の引き上げの見直しを含む減税政策が多く盛り込まれていましたが、報道されている通り、そのうちの複数がその後撤回される結果となりました。
  • ドイツでは、ドイツ国内登録簿に登録された特許権などのライセンス料に係る課税の課税範囲の見直しに焦点を絞って紹介していますが、このまま改正が進めば、納税者の負担は大幅に軽減される見込みです。
  • オランダでは、昨今のインフレに対応するために、主に個人所得税の観点から所得状況に応じたメリハリのある税制改正が行われる見込みです。

• 英国では、2022年4月よりプラスチック包装税が施行されています。対象となるプラスチックの特定や企業のサプライチェーンの確認など、コンプライアンス遵守のためには事業部へのガイダンス・情報収集が必須となり、部門を超えたコンプライアンス体制を構築する必要があります。

• フランスでは、引き続き請求書にまつわるコンプライアンスを取り上げています。前号と合わせて、貴社のコンプライアンス状況とも照らし合わせてご確認ください