欧州地域税務ニュース 2023年4月号

英国における2023年度春季予算案や、ドイツでの税制改正に伴い強化された移転価格に関する納税者の調査協力義務、税務調査が厳しくなっているフランスでの税務調査など、欧州各国の動向について取り上げています。

EMEA Tax News April 2023

今号のハイライト

  1. 英国では3月15日に2023年度春季予算案が公開されました。大幅な法人税率の引き上げや移転価格文書の作成および保存が盛り込まれるなど、在英日系企業にも影響が及ぶものと考えます。
  2. ドイツでは、税制改正に伴う移転価格に関する納税者の調査協力義務の強化について言及されています。税務署から依頼を受けてから30日以内に移転価格文書を提出する必要があるなど、今まで以上に事前準備が必要になると考えます。
  3. フランスでは、年々厳しくなっている税務調査について言及されています。既に導入されている税務手続き(FEC、VAT監査証跡)、そして今後導入されるもの(E-Invoicing、E-Reporting<2024年7月1日:全企業および支店の受領義務化・開始>、EU<VIDA>指令案)に対しては事前に十分な対策および準備が必要です。
  4. イタリアでは、イタリア居住企業がEU域外の投資ファンドに支払う配当金に係る源泉税がEU機能条約の「資本移動の自由の原則」に違反するとの立場をとった最高裁判所の判決が出ています。イタリアに直接投資を持つ日本や英国などEU外の地域統括会社がイタリア法人株式を保有している場合には、還付の可能性について検討することが推奨されます。
  5. 欧州拠点向けのOECDデジタル課税第2の柱セミナーを実施します。制度概要のみならず、欧州拠点として対応が必要となる事項や留意点について日本語にて解説する予定です(英国・ドイツ・オランダにて開催予定)。詳細はセミナー情報をご確認ください。


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